単騎独考

切れるカミソリではなく、切れなくてもナタでありたい。

ヒーローはネパール人(2)

 

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丹波の夏の雲

「おい、カレー食べに行くぞ」立三はイワシ男に声をかけた。

 

車の運転のできないイワシ男は立三の運転する車の助手席に乗り亀岡市にあるネパール人の経営するカレー屋「タージマハール・エベレスト」に向かった。

 

「カレーを食べに行くのに京都縦貫道で高速料金払ってたらアホやろ」と立三は言ったが、イワシ男にはそもそも亀岡市までカレーを食べに行くだけでアホであった。

 

しかし、そんなことを言おうものなら怒鳴られるのはわかっているので、イワシ男は黙っていた。

 

国道9号、老ノ坂と言われる京都から丹波への峠を超えた。

 

「昔の人は舞鶴宮津、若狹かから魚を担いで、この峠を超えて京都を目指したんや」

「はい」

「お前も舞鶴まで連れて言ったるから、歩いてみるか?俺は刺身食べて帰ってくる」

「嫌です」

イワシ男はキッパリと断った。キッパリと断れば立三はぶつぶつ言ってもすぐに諦めるからである。

 

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*役仁立三シリーズは事実に基づくフィクションです。 

 時々、完全にフィクションです。

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さかはらあつし