単騎独考

切れるカミソリではなく、切れなくてもナタでありたい。

メディカル10( 2 )

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「あのな、見てみこの12という数字、金色や、眩しいな」

「はあ」

「最初は10の配合成分で売れまくった薬が、他社の同じ成分の目薬と価格競争を繰り広げ、値段が下がる。そしたら二つ配合成分増やして、12にして戦い始める。12の成分になってもまた他社が同じようなのを出して来る」

「はい」

「これが飽きることなく永遠に繰り返し続けられるのが資本主義の風景や」

「はい」

「そして、メディカル10は生産されなくなるんや、それは『メディカル10』の時代が終わったということや、それは俺の青春の終わりなんや」

「なるほど、ところで...」

「青春って何なんですか?立三さん」

立三はイワシ男をじっと見つめた。

「お前、ええこと聞くやないか」

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*役仁立三シリーズは事実に基づくフィクションです。時々、完全にフィクションです。 

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さかはらあつし