単騎独考

切れるカミソリではなく、切れなくてもナタでありたい。

海男(2)

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「それでな、俺は物凄い企画を思いついたんや」と立三は切り出した。

「脚本は『脚で書く本』と読むんや、つまり、『犬も歩けば棒に当たる』と言う訳や」

「なるほど」

「やっぱりな、ヒントは社会観察、マーケティングの基本は街を歩いて観察してなんぼなんや、結局、ビジネスも企画も脚本も同じなんや、わかるか?」

イワシ男はどんな企画を思いついたのか気になった。

「根本と言うのは大切、なんでも基本、それしかないんや、わかるか?人間と言うのは難しいことを言っていても、偉くなっても、オギャーと生まれてきて、最後は死ぬ」

「はい」

「それだけの話なんや、せやろ」

「はい」

一向に立三は企画の詳細を話し始める気配がない。

 

「どういう企画なんですか?」

イワシ男はたまらず尋ねた。

 

「あのな、ウ・ミ・オ・ト・コ、、、海男」

「海男ですか?」

「そうや、このポスターを街で見つけたんや、海上保安官の話や、ある青年は理由があって海上保安官になる、学校に通う、厳しい訓練を受ける、厳しい教官、仲間との友情、そして、降りかかる大事件、大事故、乗り越えながら、成長する、そんな熱き男の物語や」

「立三さん?」

「なんや?感動したか?」

「それ、漫画原作からドラマや映画になった『海猿』と一緒じゃないですか?」

「え、海猿?そんな奴あるんか?」

「あります、結構当たっていました」

「そ、そ、そうなんか...」

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*役仁立三シリーズは事実に基づくフィクションです。時々、完全にフィクションです。

 

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さかはらあつし