単騎独考

切れるカミソリではなく、切れなくてもナタでありたい。

長岡京プロジェクト(2)

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立三がビールを飲んでいるとイワシ男がやって来た。

「この間の長岡京の理容室の件、どうするんですか?」

「あのな、人にものを尋ねる前に己の頭で考えるんや」

「はい」

「はい、やない、お前はどう思うんや?」

「わかりません」

立三はイワシ男を悲しそうな眼差ししばらく見つめた。

見つめられたイワシ男は申し訳ないというか、自分が悲しいというか、なんとも妙な気持ちになった。

「そうか、わからんか... 理容室のメディア化や」

「メディア化ですか?」

「そうや、メディア化や」

media(メディア)はmediumメディウム)の複数形。medium は、中間にあるもの、間に取り入って媒介するもの、とウイキペディアに書かれている。

*)詳細は「小さくても勝てます」参照。

「今な、小売のビジネスは全部アマゾンに持っていかれつつあるやろ」

「はい」

「やられっぱなしでいいわけない、アイデアはある、地域経済活性化、地方のブランド発信、情報発信とやることは沢山あるんや」

「でも、理容室たった二軒でですか?」

立三は少しムッとした。

「あのな、ポックやポック、POCわかるか?」

「なんなんですか?ポックて?」

「POCや、Proof of Concept、概念実証という意味や」

立三によると最初は理容室二軒でも小さくやって成功する構造を作り出せば、あとは右へならへでどんどんみんあん参加してくる、そして、大きな動きになるということだった。

そこまで話すと立三はビールを飲み干したかと思うとすぐ横になりいびきをかいて眠ってしまった。

 

イワシ男は自宅のある大阪に向かった。

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*役仁立三シリーズは事実に基づくフィクションです。時々、完全にフィクションです。

 

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さかはらあつし