単騎独考

切れるカミソリではなく、切れなくてもナタでありたい。

長岡京プロジェクト

長岡京プロジェクト (3)

立三は万年筆で手紙を書いた。 たった一枚、季節の挨拶もない、簡にして要を得るとはこう言うことかとイワシ男は思った。 「経営者は忙しいやろ、季節の挨拶なんかしている暇ないんや、要件だけドンと書いたらええんや、忙しい経営者は日に三回は従業員に『…

長岡京プロジェクト(2)

立三がビールを飲んでいるとイワシ男がやって来た。 「この間の長岡京の理容室の件、どうするんですか?」 「あのな、人にものを尋ねる前に己の頭で考えるんや」 「はい」 「はい、やない、お前はどう思うんや?」 「わかりません」 立三はイワシ男を悲しそ…

長岡京プロジェクト

立三はお盆に長岡京の実家に戻ると、西新宿の成功を業界雑誌で知った三代目の理容師から連絡を受けて、話を聞きに出かけた。 「そうか、それだったら、こういうのはどう?」と駅前の別の理容室、西新宿の理容室と連動してしかけるアイデアを打診すると、「そ…