単騎独考

切れるカミソリではなく、切れなくてもナタでありたい。

役仁立三シリーズ

ヒーローはネパール人(2)

丹波の夏の雲 「おい、カレー食べに行くぞ」立三はイワシ男に声をかけた。 車の運転のできないイワシ男は立三の運転する車の助手席に乗り亀岡市にあるネパール人の経営するカレー屋「タージマハール・エベレスト」に向かった。 「カレーを食べに行くのに京都…

長岡京プロジェクト (4)

「連絡来ませんね」 イワシ男は言った。 「大丈夫ですか?」 イワシ男は続けてた。 不機嫌そうな表情に立三はなった。 「大丈夫かどうかはわからん、でもな相手の問題やろ、どうにもならん、どうにもならんことを心配しても仕方ないんや」 「はい」 「そして…

アメリカンフットボール選手の敗者復活戦(3)

「君は俺のこと調べて来たか?」 「いえ、初めて、お会いするので」 「あのな、昔、サラリーマンしていた頃、新入社員研修で車内の大学の先輩に話を聞きに行くというのがあったんや」 「はい」 「会いに行ったら、同じこと聞かれたんや、そして、君と全く同…

海男(3)

「それで諦めたらあかんのや」立三は言った。 「そこでもう一粘りする、そこでもう一回、頑張るんや」自分を励ますようにもう一度言った。 「そうか、やっていたか」 「はい」イワシ男は立三の感情を逆なでしないように頑張って極めて淡々と応じた。 「あの…

アメリカンフットボール選手の敗者復活戦(2)

「フットボール部の奴は大学卒業後は余生や。キラキラと輝く青春時代を遠くに見ながら、『俺はホンマは』と思いながら、大企業の組織の論理に飲み込まれていく、そんなもんやろ」 「私からは言いにくいですが…」 浦崎は言った。 「でもな、それでええんかも…

アメリカンフットボール選手の敗者復活戦(1)

ある日、突然、イワシ男は「ちょっと来い」と立三に大阪梅田に連れて行かれた。 阪急電車を降り、紀伊国屋書店を越して、少し歩いたあたりにある喫茶店での打ち合わせだった。 そこにいたのは、元スポーツマンらしく刈り上げた爽やかな笑顔の中年男性だった…

メディカル10( 2 )

「あのな、見てみこの12という数字、金色や、眩しいな」 「はあ」 「最初は10の配合成分で売れまくった薬が、他社の同じ成分の目薬と価格競争を繰り広げ、値段が下がる。そしたら二つ配合成分増やして、12にして戦い始める。12の成分になってもまた他社が同…

メディカル10 (1)

立三はじっと空になった目薬を眺めていた。 目薬には「メディカル10」と書かれていた。 すぐ脇には封の切られていない「メディカル12」という目薬の箱があった。 「これで俺の青春は終わった」 立三は悲しそうにボソリと言った。 --------------------------…

長岡京プロジェクト (3)

立三は万年筆で手紙を書いた。 たった一枚、季節の挨拶もない、簡にして要を得るとはこう言うことかとイワシ男は思った。 「経営者は忙しいやろ、季節の挨拶なんかしている暇ないんや、要件だけドンと書いたらええんや、忙しい経営者は日に三回は従業員に『…

海男(3)

「早く生まれると言うのはとくやな」 「え?」 「同じこと考えても、早く出しただけで成功できる、世の中、そんなもんや」 「あの…」 「作者、立三さんより若かったと思います」 それを聞いた立三はムッとした表情で黙ってしまった。 ----------------------…

海男(2)

「それでな、俺は物凄い企画を思いついたんや」と立三は切り出した。 「脚本は『脚で書く本』と読むんや、つまり、『犬も歩けば棒に当たる』と言う訳や」 「なるほど」 「やっぱりな、ヒントは社会観察、マーケティングの基本は街を歩いて観察してなんぼなん…

海男(1)

「おい、犬も歩けば棒に当たるって知ってるか?」立三は唐突に切り出した。 邪魔くさそうにイワシ男は振り向き「知ってますよ、いろはカルタじゃないですか?」 と答えた。 邪魔くさそうなイワシ男を見て、立三はムッとして「一寸先は闇はいろはカルタちゃん…

QBハウス価格を改善する

「QBハウスが価格を改善したらしいですね」とイワシ男は立三に話を振った。 「昔、世界的に有名で高額なフィーを取ることで知られる経営戦略コンサルタントが『日本の理容は総合調髪業や、ヒゲは家で洗髪も家でやったらええやないか』と本で書いて、そういう…

ヒーローはネパール人(1)

丹波の夏の雲 その日、立三はいつになくサングラスをかけていた。 「ええやろ」 「はい」 こういう時、そう答えなければ立三は必ず不機嫌になるので、イワシ男はそう答えた。 「今日な、帰りに9号線沿、亀岡あたりでインドカレー屋に寄ったんや」 「あ、前に…

長岡京プロジェクト(2)

立三がビールを飲んでいるとイワシ男がやって来た。 「この間の長岡京の理容室の件、どうするんですか?」 「あのな、人にものを尋ねる前に己の頭で考えるんや」 「はい」 「はい、やない、お前はどう思うんや?」 「わかりません」 立三はイワシ男を悲しそ…

「日本を出ろ」

立三は弟子のイワシ男に向かって「日本って最低の国やな」とコーラプラスを飲みながら呟いた。 イワシ男は「突然、どうしてですか?」と怪訝そうに尋ねた。 「日本は結局、宮仕のムラ社会、メンバーシップ社会とか言うてるけど、そういうことやろ、個人で頑…

作りかたを創る

作りかたを創るのは大切だ。 作りかたを創るのは時間がかかる。 作り方がオリジナルであれば作品もオリジナルになる。 ----------------------- *役仁立三シリーズは事実に基づくフィクションです。 「小さくても勝てます」絶賛発売中です。 下記をクリック…

祇園の月(2)

立三は京都の祇園を歩いていて見かけた福栄堂の「祇園の月」を見て、これは素晴らしいお菓子に違いないと考えを巡らせた。 「月こそ日本の庭園の本質である。全ての庭園は月を愛でるためにある」と華道遠州流宗家に桂離宮を案内してもらった時に教えてもらっ…

祇園の月( 1 )

立三は祇園を歩いていて、「祇園の月」という団子を見かけた。 ネーミングとして素晴らしいなと思った。食べてみなければと思った。 何が素晴らしいか、どうして素晴らしいかについては、一度立三なりに考えて見なければならないと思った。 ----------------…

手作りカツカレーは美味しいのに(30年の秘密)

立三は今日は店主が自身の「手作りカツカレー」の味を確かめに京都市右京区山ノ内の「マリーアントワネット」再訪。 30年前から開いた大人の定食屋の本質を掴み取ろうという魂胆である。 この本質がわかるまで飽きずにしつこく行き倒すというのが立三のやり…

長岡京プロジェクト

立三はお盆に長岡京の実家に戻ると、西新宿の成功を業界雑誌で知った三代目の理容師から連絡を受けて、話を聞きに出かけた。 「そうか、それだったら、こういうのはどう?」と駅前の別の理容室、西新宿の理容室と連動してしかけるアイデアを打診すると、「そ…

「価格理論」10円の付加価値創造の瞬間

今日も自称映画監督の役仁立三は市内に出かけたついでに先日見つけたマリーアントワネットという定食屋さんに入った。 お客さんはおらず、店主/コックさんと話した。 このメニューをまず見て欲しい。 そして、純粋な「カツの値段」を「カツ丼、親子丼」「ビ…

「よくあることよ」とマリーアントワネットは笑う。

今日は京都市内を移動中、「喫茶&洋食 日替わり定食の店」という看板を見つけて行き過ぎた道を戻ってランチにお世話になりました。 葛野大路四条の細い路の奥 九百五十円也 食べたのはポークの照り焼き&コロッケ定食。 昭和の雰囲気を残す広い店内。 店の名…

映像化、漫画化、シリーズ化

小さくても勝てます(ダイヤモンド社刊) https://goo.gl/vgCaFM 私はこの本を原作になんとか映像化、漫画化、シリーズ化したい。 それが社会に必要だと信じているからだ。 みなさま、是非、ご一読ください。 読んでいただいたら、レビューをお願い致します。

インプット、インプット

再び、経済、経営、その他のインプットを徹底的にやりたいと思い開始しています。 それが次の作品、次の仕事に必ず生きて来ます。

役仁立三シリーズの連載をしたい。

拙書「小さくても勝てます」(ダイヤモンド社)を世界に届け、経営知識の格差を少しでもできないかと模索しています。 もう一つのこの本の使命は、自然と文化の豊かな国、日本の社会、人、産業、文化を世界に映像を通じて紹介する「仕組み」を作ることです。…

「小さくても勝てます」は私にとって何だったのか

来週のこの時間は香港国際映画祭でシャンペンを片手にパーティーの会場でネットワークに励んでいるだろうと思います。 どうしようもなく追い込まれ、ドキュメンタリー「AGANAI」に向かうしかなく突き進んだのですが、途中で資金尽き、困り果てて何とかしよう…