単騎独考

切れるカミソリではなく、切れなくてもナタでありたい。

メディカル10( 2 )

「あのな、見てみこの12という数字、金色や、眩しいな」 「はあ」 「最初は10の配合成分で売れまくった薬が、他社の同じ成分の目薬と価格競争を繰り広げ、値段が下がる。そしたら二つ配合成分増やして、12にして戦い始める。12の成分になってもまた他社が同…

メディカル10 (1)

立三はじっと空になった目薬を眺めていた。 目薬には「メディカル10」と書かれていた。 すぐ脇には封の切られていない「メディカル12」という目薬の箱があった。 「これで俺の青春は終わった」 立三は悲しそうにボソリと言った。 --------------------------…

長岡京(3)

立三は万年筆で手紙を書いた。 たった一枚、季節の挨拶もない、簡にして要を得るとはこう言うことかとイワシ男は思った。 「経営者は忙しいやろ、季節の挨拶なんかしている暇ないんや、要件だけドンと書いたらええんや、忙しい経営者は日に三回は従業員に『…

海男(3)

「早く生まれると言うのはとくやな」 「え?」 「同じこと考えても、早く出しただけで成功できる、世の中、そんなもんや」 「あの…」 「作者、立三さんより若かったと思います」 それを聞いた立三はムッとした表情で黙ってしまった。 ----------------------…

海男(2)

「それでな、俺は物凄い企画を思いついたんや」と立三は切り出した。 「脚本は『脚で書く本』と読むんや、つまり、『犬も歩けば棒に当たる』と言う訳や」 「なるほど」 「やっぱりな、ヒントは社会観察、マーケティングの基本は街を歩いて観察してなんぼなん…

海男(1)

「おい、犬も歩けば棒に当たるって知ってるか?」立三は唐突に切り出した。 邪魔くさそうにイワシ男は振り向き「知ってますよ、いろはカルタじゃないですか?」 と答えた。 邪魔くさそうなイワシ男を見て、立三はムッとして「一寸先は闇はいろはカルタちゃん…

QBハウス価格を改善する

「QBハウスが価格を改善したらしいですね」とイワシ男は立三に話を振った。 「昔、世界的に有名で高額なフィーを取ることで知られる経営戦略コンサルタントが『日本の理容は総合調髪業や、ヒゲは家で洗髪も家でやったらええやないか』と本で書いて、そういう…

ヒーローはネパール人

丹波の夏の雲 その日、立三はいつになくサングラスをかけていた。 「ええやろ」 「はい」 こういう時、そう答えなければ立三は必ず不機嫌になるので、イワシ男はそう答えた。 「今日な、帰りに9号線沿、亀岡あたりでインドカレー屋に寄ったんや」 「あ、前に…

長岡京プロジェクト(2)

立三がビールを飲んでいるとイワシ男がやって来た。 「この間の長岡京の理容室の件、どうするんですか?」 「あのな、人にものを尋ねる前に己の頭で考えるんや」 「はい」 「はい、やない、お前はどう思うんや?」 「わかりません」 立三はイワシ男を悲しそ…

「日本を出ろ」

立三は弟子のイワシ男に向かって「日本って最低の国やな」とコーラプラスを飲みながら呟いた。 イワシ男は「突然、どうしてですか?」と怪訝そうに尋ねた。 「日本は結局、宮仕のムラ社会、メンバーシップ社会とか言うてるけど、そういうことやろ、個人で頑…

作りかたを創る

作りかたを創るのは大切だ。 作りかたを創るのは時間がかかる。 作り方がオリジナルであれば作品もオリジナルになる。 ----------------------- *役仁立三シリーズは事実に基づくフィクションです。 「小さくても勝てます」絶賛発売中です。 下記をクリック…

祇園の月(2)

立三は京都の祇園を歩いていて見かけた福栄堂の「祇園の月」を見て、これは素晴らしいお菓子に違いないと考えを巡らせた。 「月こそ日本の庭園の本質である。全ての庭園は月を愛でるためにある」と華道遠州流宗家に桂離宮を案内してもらった時に教えてもらっ…

祇園の月

立三は祇園を歩いていて、「祇園の月」という団子を見かけた。 ネーミングとして素晴らしいなと思った。食べてみなければと思った。 何が素晴らしいか、どうして素晴らしいかについては、一度立三なりに考えて見なければならないと思った。 ----------------…

手作りカツカレーは美味しいのに(30年の秘密)

立三は今日は店主が自身の「手作りカツカレー」の味を確かめに京都市右京区山ノ内の「マリーアントワネット」再訪。 30年前から開いた大人の定食屋の本質を掴み取ろうという魂胆である。 この本質がわかるまで飽きずにしつこく行き倒すというのが立三のやり…

長岡京プロジェクト

立三はお盆に長岡京の実家に戻ると、西新宿の成功を業界雑誌で知った三代目の理容師から連絡を受けて、話を聞きに出かけた。 「そうか、それだったら、こういうのはどう?」と駅前の別の理容室、西新宿の理容室と連動してしかけるアイデアを打診すると、「そ…

「価格理論」10円の付加価値創造の瞬間

今日も自称映画監督の役仁立三は市内に出かけたついでに先日見つけたマリーアントワネットという定食屋さんに入った。 お客さんはおらず、店主/コックさんと話した。 このメニューをまず見て欲しい。 そして、純粋な「カツの値段」を「カツ丼、親子丼」「ビ…

死刑について

死刑については制度として社会になくて済むならない方が良い。 当たり前のことだが、そもそも死刑にしないといけないような人がいないのが一番いい。 しかし、「死刑という制度がある社会」で、他の事件で死刑になる人がいる中で、オウムの松本智津夫、その…

「よくあることよ」とマリーアントワネットは笑う。

今日は京都市内を移動中、「喫茶&洋食 日替わり定食の店」という看板を見つけて行き過ぎた道を戻ってランチにお世話になりました。 葛野大路四条の細い路の奥 九百五十円也 食べたのはポークの照り焼き&コロッケ定食。 昭和の雰囲気を残す広い店内。 店の名…

そして、残りも死刑が執行された。

朝からドキュメンタリーの各種申請書類を作成していたら、テレビを見ていた親父がやってきて「残りの死刑が執行されたよ」と連絡をくれた。 一つの区切りにはなるが、終わるわけではない。

万事塞翁が馬。

「AGANAI」のレンダリング中。 随分、映画らしい映画になったと思う。 色んなことがありましたが、なんとか対応し映画にしております。

大変だろうなと思う

上祐史浩に刃物入りの脅迫状が届いたらしい。 誰が、どのような目的でそんなことをしているのかはわからないが、オウムに一度入ったものは、やめてもオウムを怯えなければならない。 大変だろうなと思う。 しかし、オウム、現アレフは今日もきっと勧誘活動を…

森達也は被害者を取材したことあるんだろうか?

森達也はこんなことを書いている。 森達也は被害者を取材したことあるんだろうか? 私は死刑が執行されて良い区切りとなり良かったと個人的には感じている。 それは真実である。 森達也は上祐史浩のように麻原の存在に怯える人(本心と真実を言っているとし…

アマゾン欠品の件、大変申し訳ございません。→在庫入りました。お近くの本屋さんで発注できると思います。

本日、カテゴリーのベストテンに復活しているのですが、在庫なく欠品になっております。本屋さんにも在庫は薄い状況です。ご迷惑をおかけしてすいません。 ↓ Amazonに在庫入りました。お近くの本屋さんに在庫ない場合、発注できるはずです。 よろしくお願い…

己こそ己の寄る辺

後遺症で体調も悪く仕事も回らず一番札所の坊さんに言われるまま。遍路を何周も回ったのは六年前。突然、東京への飛行機の中で意識を失い、原因不明の腰椎の圧迫骨折を経験します。この経験があるから、「一番札所には『己こそ己の寄る辺、己をおきて誰に寄…

被害者がサリン事件を乗り越えるということ

サリンガスの後遺症は、身体的に直接的な後遺症となる。 その中で、創造するというのは激痛を伴う作業だ。 ずっと私にはそれができなかった。 だから、ドキュメンタリーを撮り始めたのだ。 ドキュメンタリーが資金難に陥り、親父も一時危篤になり、必死で書…

麻原(松本智津夫)回帰なんか全くしていない

私はドキュメンタリーの制作を通じ、アレフの施設を訪問し、荒木浩、その他の出家信者の話を随分と聞いた。 よくマスメディアは「麻原(松本智津夫)回帰」という言い方をしますが、それは間違った表現です。 アレフ信者には脳みその芯まで麻原(松本智津夫…

松本智津夫の遺骨は海への散骨でも危険かもしれない。

松本智津夫の遺骨を海に散骨するという考え方は最初良いアイデアかもしれないと思ったが、実はまだ脇が甘いかもしれないと思う。 「散骨した骨が何か摩訶不思議な作用で出て来た」という話は作れるのである。 宗教的な聖者の話はその手の感じのものが多い。 …

オウムは危険

上祐史浩が目撃したことを公表できなかったのが、本当に恐怖心が植え付けられていたためだとしたらオウムは危険だ。 また、もし、帰依したままだと言われる新実元死刑囚などと息を合わせて、松本智津夫延命の試みだったとしたら、それもまた、オウムは危険だ…

歯を食いしばって頑張って良かった

映画とジャーナリズムは別物だと私は思うが、私しか知り得ない情報、持ち得ない体験を持っていることによって、その二つを同時に期待されている。 重責だと思う。 歯をくいしばって頑張って良かった。 作業にはやはりペンと紙が必要ですね。

上祐史浩にはガッカリした

言い訳しかしていない。 結局、保身。 さっさと言わなかったことで、何人のアレフ信者が生まれたか、何人のアレフ信者が自ら信じてることを疑い損ね、人生を無駄にしたか。 何にもない。 空っぽではないか。